酔狂の連続の中を
学校帰り グランドセントラルステーションの地下で
ブルックリンラガーを 一杯ひっかけてから下宿先に帰る
BGMはもちろん ヴェルヴェットアンダーグラウンド
ミッドタウンに高くそびえる摩天楼
30丁目辺りではやはり マイルスデイヴィスを
CBGBがあったなんて嘘だろってぐらい
すっかり観光地化されているバワリー通りでは ニューヨークパンクを
ワシントンスクエアの その答えさえも凍ってしまいそうな冷たい風に吹かれ
ボブディランを
セントラルパーク 行く当てもない冬の散歩道にはサイモン&ガーファンクル
そしてもちろん あの冬の朝
ロック史上もっとも悲しい銃声が響いたであろう72丁目では
ジョンレノンを聴く
その音楽が 生まれた場所で
様々な想いを馳せながら その音楽を聴く
人はそれを ただの「酔狂」と呼ぶかもしれない
でも僕は そんな酔狂の連続の中を
いつまでもフワフワと そして
ヘラヘラと笑いながら生きて行きたい
それが僕なりの 世の中に対する
ささやかな抵抗と復讐・・・・かな
さて次の酔狂はどこにある
リヴァプール?シカゴ?キングストン?トーキョー??
師走のジャクソンハイツ
クリスマスが過ぎて
いよいよニューヨークは 連日の氷点下
僕のホームステイ先は
ラテン系、インド系移民が多く住む
クイーンズ地区ジャクソンハイツにある
映画「フレンチコネクション」に出てきたような
高架下の商店街からは
大音量のラテン音楽が ひっきりなしに流れている
小さな街ではあるが 凝縮されたそのエネルギーは
マンハッタンのどの地区にも 決してひけをとらないだろう
この国のミスタープレジデントは もしかしたら
そういう物に 少なからず脅威を感じているのかも知れない
そんな煮えたぎるメルティングポットの中に
放り込まれて早2週間
僕もいよいよこの街に 愛着がわいてきた
師走のジャクソンハイツ
僕はここに 勉強をしに来たからね
この間 近所のリカーストアで見つけた「SAKE」は
正月まで我慢するか…