27丁目の夜



ニューヨーク マンハッタン東27丁目


「JAZZ STANDARD」というライブバーの
カウンターの端っこに 僕は1人
ビールを飲みながら座っていた


カウンターの正面には 只者ではない雰囲気を醸し出しながら
食事をしている 渋いオッサン達


そのオッサン達に 
エスタンシャツを着た モミアゲの長い男が声を掛けた


「あと5分で始めよう」


オッサン達はステージに向かう
モミアゲの男がギブソンES−335を肩にかける
もちろん赤色だ



「クリスバーグソンバンド」のショーが始まった



雨の中 ホテルから暗い夜道を歩いて来た甲斐があった


いや もっと言えば


14時間かけて はるばる日本からやって来た甲斐があった



そんな思いにさせてくれる 最高のショーだった



クリスバーグソンというギタリストの
とんでもない経歴はここには書かないが



ただ さすが ニューヨークには物凄いギタリストがいるもんだと



ES-335とフェンダーアンプのうっとりするような音に
ずっとずっと酔いしれていたい夜だった