カーブのおっちゃん

今年もプロ野球が始まりました


とにかく開幕から 
巨人が強すぎてムムムム という話ですが


まぁ今年は 新人が大暴れする年になりそうで
楽しみです


僕も子供の頃は プロ野球選手に憧れる
野球少年だった訳で 


ポジションはキャッチャー


来る日も来る日も 小学校のグランドで
ピッチャー役の友達の球を受けていた


そんなある日の昼下がり


どこからともなく僕の前に現れた
1人のおっちゃん


少し赤ら顔 
今思えば ちょっと一杯ひっかけていたんだと思う


おっちゃんの球 ちょと受けてみて みてみてみぃ
とか何とか言いながら
おっちゃんはマウンドに向かった 


それまで 大人の投げる球を受けた事は 何度もあったし
当時小学校4年生の僕は ちょっと自信もあったが
知らないおっちゃんの投げる球に
内心はドキドキしていたのかもしれない


投球フォームに入るおっちゃん
ミットを構える僕


しかし
おっちゃんの手から離れたボールは
あろうことか とんでもない方向へと
飛んで行った


あかん 暴投や・・


そう思い 立ちあがって球を捕ろうとした
まさにその瞬間


暴投だと思われたその球は ゆっくりと弧を描いて
ストライクゾーンへ
そして僕のミットに収まった


ほんの数秒の出来事


それが初めて肉眼で見た 「カーブ」だった


「カーブのおっちゃん」


おっちゃんは
「カーブにちゃんと体がついてきとるよ」 と言い残し去って行き
それから2度と僕の前に姿を現す事は無かった


今になって思えば あのおっちゃん 実は
全国の野球少年を訪ね歩いていた
野球の神様だったのではないだろうか


あれ以来2度と 僕の前に現れる事が無かったのは
たぶん僕にたいした見込みがないという事を 見抜いたのだろう


神様だから


やはり僕は 数年後野球を辞めてしまう


そう やっぱりサッカー選手の方がカッコいいな
という理由で サッカー少年になったのだ


そんなある日 今度は僕の前に
サッカーの神様が現れる事になる・・・



とまぁ どちらもモノにならなかった
元野球、元サッカー少年の
とんだ戯言を
最後まで読んでくれてありがとう



そう

「スライディングのおっちゃん」の話は またいつか