サイゴンの輝く夜

今日もまた 容赦なく照り付ける太陽

灼熱のサイゴンを歩く







街を行き交うホンダドリーム号の 排気ガスを浴びながら
この低い目線で食べる ベトナム飯も
すっかり気に入った
この目線こそが アジアの目線



そして街のいたる所にはやはり 戦争の記憶と
シンボリックな建物が並ぶ





アメリカと戦った と言うよりは
同じ民族同士が殺し合ったという 負の遺産


立ち寄った 戦争ミュージアムに飾られていた
あの有名な 戦場カメラマン沢田教一の写真には
何とも言えない迫力と 説得力があった



こちらも 今はミュージアムとなっている
南ベトナム大統領官邸

1975年4月 サイゴン没落の日
ベトコンが入城して来たという通りを
バルコニーから眺める
少しだけ 身震いがした



考えてみれば 僕が生まれた頃
この国 この街はまだ 戦場だったのだ…



南国の太陽のせいか それとも
昼間から飲んでいる サイゴンビールのせいなのか
終始ほろ酔いの頭で そんなことを思った



一人のホテルには あまり早く帰っても仕方がない
出来ることなら 夜の果てまで
40年間続いている この街の平和な空気を
ずーっと吸っていたいなと 思わずにはいられない
南国サイゴンの 素晴らしい夜です